握手に危険性の報告…これからはグータッチ!?
握手の危険性の報告
一般的な挨拶として、「握手」があります。
衛生面の意識の高まりに伴い、挨拶の仕方は見直されてい媚薬 女性用くのかもしれません。2013年、Ghareeb先生が『J Hosp Infect.』という雑誌に報告した内容によると、握手は手から手への細菌の移動が多く、約80％の人に病原性のある細菌が残っているそうです。
アメリカなどでは握手に替わり一般的になってきた、「グータッチ（英語名で fist bump）」と呼ばれるコミュニケーション方法があります。最近ではオバマ大統領も行うほどです。Ghareeb先生らの実験によると、握手によって細菌が移動した数は、このグータッチによる移動数の10倍以上あることが確認できたとのことです。
また、ハイタッチでも細菌は移動しますが、握手ほどでありません。しかし、それ以上にグータッチによる細菌の移動が少ないそうなのです。
グータッチの利点
グータッチ、英語ではfist bumpと言います。つまり、グータッチは和製英語です。
グータッチの利点は
- 接触する部分が狭いこと
- グータッチによって接触する部分は、指や掌と違って、口に入れるものを触りにくい
- 接触する時間が短いこと
などが挙げられます。これらのことが握手に比べ、細菌の移動を少なくしているのでしょう。
ただスキンシップと言う点では、接触する面積の広さ、時間などが大きいほど、紅蜘蛛より身近に感じやすくなります。今までの握手は密着度が高い分、グータッチよりも親しみ深い挨拶と感じられるでしょう。しかし握手をするのであれば、食事前などにはしっかりと手洗いをしておきたいものです。
そもそも、手についている細菌の性質は？
人の手には、多種多様な細菌が付着しています。日常の生活の中で、色んな所を触るので当たり前です。そもそも細菌は様々な所に居て、環境さえ整えば短時間で増殖します。手は温度と汗と皮脂などの栄養が豊富で、黒倍王その増殖しやすい環境の条件を満たしています。短時間で手に増殖した細菌が、握手することで移動し、さらに相手の手でも増殖するわけです。
汚染された手で食事をすれば、細菌もともに体内に侵入します。どうしても掌と指を使うことが多いので、この部位は特に要注意です。前述のとおり、握手では指と掌が密接に接触し、その面積にグータッチに比べると多いので、細菌が移動しやすく、移動した細菌が口から入ってきて病気を起こすことになります。
医療従事者では、手で細菌感染が拡大することが以前から報告されていて、感染拡大しないための予防の大原則は、手洗いまたは手袋です。特に抗菌薬に耐性であるブドウ球菌は、人の手を介して拡大することが判っていますので、手洗いが重要になっています。
手洗いの注意点
石鹸を泡立てて、しっかりと指の先まで洗うことが大切です。
細菌だけでなく、インフルエンザ、ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルス感染予防でも手洗いは重要ですので、その注意点を挙げます。
- 十分に石鹸で泡立てる
- 手全体をすり合わせる
- 指の間をしっかりと洗う
- 手首までしっかりと洗う
- 爪に間、指先をすり合わせる
- 様々な方面で5回ずつすり合わせる
- 流水を使用し、しっかりと洗い流す
- できれば、ペーパータオルを使用する
- 蛇口を閉める時には使用したペーパータオルを使用する
理想はこのように、5回ずつしっかりと洗うことが大切です。流水だけでも細菌を減らすことができますし、アルコール消毒でも減らすことができますので、無理のない程度、できる範囲を普段から行うことが大切です。
手洗い後のアルコール消毒も効果的です。細菌やインフルエンザなどのウイルスにはアルコールは殺菌効果があります。しかし、ノロウイルス、ロタウイルスには効果がありませんので、アルコール消毒を過信しすぎない方がいいでしょう。
ただ、上記のような手洗いをしても常在菌は残りますから、細菌の移動を減らす方法の1つとして、握手に替わりグータッチが注目されているワケです。
握手にこだわらないのなら、グータッチからしてみてはいかがでしょうか。オバマ大統領、巨人の原監督の気分も味わえますし、何より相手を病気にしない挨拶こそグータッチと言えます。
アイドルとのコミュニケーションも、「握手会」から「グータッチ会」に替わるかもしれません。ただ、アイドルの手に付いた細菌まで欲しいと思っているファンがいるかもしれませんが…。
お薬ニュース2月号 製薬合併の意外な一面
連日、ニッポン放送株の争奪戦が話題となったこの2月でしたが、その影で医薬業界で注目されるニュースがありました。
2月19日の日本経済新聞のスクープを皮切りに、報道各紙が三共株式会社（以下、三共）と第一製薬（以下、第一）が今度の10月に「統合」される報道がされたのです。
でも、このふたつのニュースを良く調べてみると、意外なところで共通の話題によって結びつ三便宝く事になるのです。
統合と合併の違いとそれぞれのスタンス
国内でも大手と呼ばれる規模の合併劇に業界は注目したものでした。そして、今度の四月に、合併により誕生する新しい会社との比較に目が向くのも自然の流れのようです。
今度の10月に「統合」する三共と第一、この4月に山之内製薬（以下、山之内）と藤沢製薬（以下、藤沢）の「合併」から誕生する新会社アステラス製薬とは違う形になりそうです。まずはそれぞれの言葉の違いからみてみましょう。
■三共と第一の統合ケース
共同持ち株会社を作り、その子会社として第一と三共が存在する形でスタートするようです。
■山之内と藤沢の合併ケース
社名もアステラス製薬とし、組織も再編して新たにスタートをきるようです。
そして、新しくできる企業の規模を見てみると年間の売上高が1兆円に届きそうな規模となり、狼1号製薬企業国内1位の武田薬品工業株式会社にせまります。様々な報道もこの三つどもえの勢力構造をキーワードに行なわれています。
医療現場からみる両社の関係
これまでの製品ラインナップから考えると、消化器系を代表とする総合メーカーの山之内と高脂血症をはじめと威哥王する生活習慣病関係のラインナップが多い三共が競合し、抗生物質の藤沢と合成抗菌薬の第一の競合になり、まさにライバルといった図式になることが予想できます。
最初にHMG-CoA還元酵素阻害薬という働きの高脂血症薬を作ってきた三共ですが、いまはその特許も切れ後発品メーカーとの生存競争になってしまっています。その分野のシェアは、今は山之内の製品にとって変わりつつあります。
また、抗生物質、合成抗菌薬の分野で考えてみると、病原菌に対する強さが期待できるニューキノロン系合成抗菌薬の主流を占めていた第一の製品も、そろそろ世代交代の印象を受けます。杏林製薬の競合品や、ニューキノロンに匹敵する強さがある、藤沢のマクロライド系抗生物質などが注目されています。今の所は、このライバル達の副作用報告で足踏みをしている状態ですが、第一の製品にとって世代交代にありつつあることはなんとなく感じられます。
国内の大型統合で勢いがつくのでしょうか？
日本の医薬品市場は世界第2位といわれていますが、これは国民皆保険制度だからとも言えなくもありません。医療保障が個人や働く企業に依存しているアメリカなどとはちがい、誰もが平等に医療サービスを受けられるかわりに、医療サービスを使いすぎてしまう傾向にあることも問題となっています。
増えつづけている医療費も2025年には、医療費が今の30兆円のおよそ倍になることが予想されていますが、その前に、すでに2015年には国民の4人に1人が65歳以上の高齢者になり、保険料の収入の問題が指摘されています。その保険制度の見直しがされ、国や行政機関の動きには肥大化する医療費を何とか減らそうとする基本的なスタンスがあります。負担割合が増えたり、医療費の償還払い制度が実施されたりすると、これまでの使いすぎ医療が是正されマーケットの拡大はあまり多くないかもしれません。
それよりも、伝統医療が今でも行なわれている地域がある中国やインドのマーケットは、圧倒的な人口の多さと最近の日本に迫る国内総生産から近代医学の普及が必至です。製薬業界も中国あるいはインドのマーケットを視野に入れながらの動きになっていることと思います。
世界に目を転じると、グローバルメガファーマの動きの方が注目されそうです。実際のところはファイザー（米）やサノフィ・アベンティス（仏）、グラクソ・スミスクライン（英）に比べると売上高で5倍くらいの格差があるのが現実です。膨大な利益を研究開発費に回して世界の医薬品業界を牽引していく傍らで、日本の製薬メーカーの生き残りは以前厳しいといえそうです。
世界が狙う日本の製薬企業
日本でも2006年の商法改正で、外国企業が株式交換により日本企業を買収できる「三角合併」が解禁され、外資系企業による日本企業の買収がしやすくなると考えられています。株式交換による買収は海外の大型M&Aの主流となっているようで、アメリカのファイザーによるファルマシアの買収劇もこの方法で行なわれたようです。昨年のサノフィによる敵対的買収によって誕生したサノフィ・アベンティスなど、その規模で日本企業が狙われたらひとたまりもありません。
三共と第一の統合やアステラス製薬の誕生は、この2006年の法律改正を見越してのことだと思われます。そして、向える2006年頃には国内だけでなく外資系企業によるM&Aが進む事が予想できます。
ライブドアとフジテレビのニッポン放送株の争奪戦は、日本の大手企業でも外資系企業の資本によればひとたまりのない所を露呈しています。そして、商法の改正が行なわれている所も浮きぼりにしました。政府による慎重論も話題になっていますが、このまま進むとしたら、製薬業界でなくてもあなたの会社がニッポン放送のように報道を賑わす事になるかもしれません。
そして、いつもは理系のあなたも、苦手かもしれませんが商法改正や経済ニュースにも目を通しておいた方がよさそうですね。
